「かつての哲学が扱った領域を科学が担当するようになった」とある哲学者が言うほど、今、科学は「脳内の現象=心」を扱っている。著者はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーである人物の若かりし頃のエッセイ。待望の文庫化。 心を科学する人間が突き当たる己の後悔、逡巡、欺瞞、渇望。晦渋さはなく、詩的な感覚さえ漂う。生と死への尊厳が真摯に綴られる一冊。